攻撃しない姿勢が信頼を生む:日常生活に活かす心理学

この論文は「事前攻撃」について調べたものです。

分かりやすく言うと、「もし相手が武器を持ったら自分も武器を持とう」と考える人たちがどうしてそう決めるのかを実験で研究したお話です。

人は時々、怖い思いをしないために武器を持つことを決めます。
でも、武器を持つと相手も怖がって武器を持つようになり、逆に危ない状況が生まれます。この研究では、ゲームを使ってどうして人が武器を持ちたくなるのかを調べました。

ゲームの仕組み

2人が「ボタンを持つかどうか」を選びます。
ボタンを持っていると、相手を攻撃できるけれど、自分も少しだけ損をします。
どちらもボタンを押さなければ、誰も損をしません。
でも、相手が先にボタンを押すかもしれない、という「怖さ」があると、先に押したくなる人がいます。

なぜ武器を持つの?

怖いから:相手に先に攻撃されるのを心配するからです。
バランスを取りたいから:相手だけが武器を持っていると、不公平だと感じるからです。

研究結果

実験をしたら、相手が武器を持つ可能性が高いと思うほど、自分も武器を持ちたがることが分かりました。
でも、実際には武器を持たない方が危険が少ない場合も多いのです。
この研究は、どうして人が武器を持つ決断をするのかを理解するために重要で、現代の武器や戦争の問題にも関係があります。例えば、国同士の武器の持ち合い(核兵器など)にも似た心理が働いているのかもしれません。

結論

相手に「自分は安全な存在である」とアピールすることで、相手の恐怖や防衛心を減らし、信頼や協力関係を築きやすくなります。

参考文献
Ozono, H. & Nakama, D.(2024). I will hold a weapon if you hold one: Experiments of preemptive strike game with possession option. Evolution and Human Behavior, online publication.