脳波でわかった!インセンティブがスポーツの本気度を高める話

「え、勝ったら現金もらえるの?じゃあ本気出すわ!」

そんな軽いノリで参加したニュースポーツ「SASSEN(サッセン)」の大会。でも、試合後に脳波データを見せられて、自分がどれだけ集中していたかを“数字で”突きつけられたとき、思わず「マジかよ…」と声が漏れました。

今回はそんな、「報酬(インセンティブ)がスポーツに与える影響」を、実験と脳波データで検証した興味深い研究を紹介します。

クマ
クマ

実験の背景:なぜ脳波×スポーツなのか?

多くの人がスポーツを続ける理由は「楽しいから」「上達したいから」という“内発的動機”。
でも、新しいスポーツや競技人口が少ないジャンルでは、「最初のきっかけ」をどう作るかが大きな課題です。
そこで注目されたのが、外発的動機付け──つまり「勝ったら報酬がある」という仕組みです。

研究では、サムライの真剣勝負を現代に再現したようなスポーツ「SASSEN(サッセン)」を使い、脳波計を使ってプレイヤーの集中度や“やる気”の変化を可視化しました。

ラッコ
ラッコ

実験方法:インセンティブの有無で何が変わる?

参加者は20代〜40代の男女10人。
まず試合前にアンケートで「どれだけこのスポーツに熱中しているか」を数値化し、動画視聴時には脳波計で集中度を測定。
その後、実際に1人ずつSASSENの試合を3回ずつ行い、再びアンケートで変化を測りました。

ポイントは、Aグループには「勝てば現金かグッズがもらえる」と事前に伝え、Bグループにはインセンティブの説明なし。

結果、Aグループは動画視聴中に集中度が高く(β波が顕著)、試合後の「またやりたい度」も高い傾向が見られました。

アヒル
アヒル

実験の結果と気づき

・報酬があると、試合への集中度が上がる(脳波データでも確認)。

・一度でもインセンティブ付きの試合を経験した人は、報酬なしの試合でも比較的高いモチベーションを維持。

・逆に、最初から報酬なしだとモチベーションは低下しやすい傾向に。

特に20〜30代のように「何か新しいことを始めたい」「でも時間とリターンは気になる」という層には、この仕組みは刺さりやすい。
報酬による“本気スイッチ”は、思ったよりもパワフルなのです。

まとめ

「脳波データが証明するように、“報酬のあるスポーツ”は、僕たちのやる気と集中力を一瞬で引き出してくれる力を持っていた。」

参考文献

1.鋤先 星汰・倉橋 節也『脳波測定に基づくスポーツにおける外発的動機付けの効果に関する研究』筑波大学 ビジネスサイエンス系
▶ニュースポーツ「SASSEN」を用い、インセンティブの有無がプレイヤーの集中度とエンゲージメントに与える影響を、脳波とアンケートによって分析した実験研究。