地方の仕事はどう変わる?AI導入の話

「最近、うちの町でも“AIを使った業務効率化”って言葉をよく聞くようになったんです。」
そんな話を親戚の市役所職員から聞いて、「地方でもいよいよAIの波が来てるのか」と実感しました。
AIの進化って、都会だけの話じゃない。地方の仕事だって確実に変わってきているんです。

アヒル
アヒル

地方の単純作業は、着実にAIに置き換わっている

地方の役所や中小企業で今、最も目に見えて変わってきているのが、単純作業の自動化です。
例えば、帳票処理や定型のデータ入力など、これまでは人が手作業でこなしていた業務が、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIツールによって効率化されつつあります。

こうした変化は、人件費の削減やヒューマンエラーの防止といったメリットがある一方、若手や新卒の雇用が減るのではないか?という不安も生んでいます。

クマ
クマ

「判断」が求められる仕事は、AIが“サポート”役に

とはいえ、AIがすべての仕事を奪うわけではありません。
地方でも、弁護士や政治家、自治体職員など、状況に応じた判断力が必要な仕事では、AIはまだ“代替”ではなく“支援”の立場にあります。

たとえば、大量の資料や住民の声をAIが解析し、「最も効果的な政策は何か」を提案してくれる。あくまで決断するのは人間ですが、その精度やスピードは確実に上がっています。

ウサギ
ウサギ

「予測」と「遠隔操作」で、地方の業務が進化している

地方ならではの課題、「人口減少」「人手不足」。この解決にもAIが一役買っています。
需要予測にAIを使えば、たとえば地元の観光業や農業で「どの時期に何をどれくらい準備すればいいか」を正確に予測できます。これが廃棄ロスの削減や利益の最大化につながります。

さらに、ドローンやロボットを活用すれば、山間部のインフラ点検や農作業も遠隔操作や自動運転で可能に。まさに「AIが地方の働き方を変える」現場が増えているのです。

ラッコ
ラッコ

でも、AI化=すぐにリストラ…とはならない

ただし、「AIが来たら仕事がなくなる」という悲観的な未来ばかりではありません。
実際、多くの自治体ではAI導入に慎重です。理由は、導入コストの高さと公務員の身分保障。税金を使ってAIを導入するには、費用対効果の精査が必須ですし、法律によって職員の解雇も簡単にはできません。

ですので、今のところ地方の仕事は「徐々に変わっていく」のが現実です。

AI人材の確保こそ、これからの課題

一方で、どれだけAIが進化しても、それを使いこなせる人材がいなければ意味がありません。
地方では特に、ITエンジニアやデータサイエンティストといったAI関連職の人材不足が深刻です。

今後は、地元の若者が地元でITスキルを身につけ、活躍できるような教育や研修制度の整備がカギになってきます。

参考文献

総務省統計局『令和 4 年度 統計データ利活用事例集』(2022年)
▶地方自治体におけるAI導入の現状と課題、今後の活用可能性についての報告書。

経済産業省『未来人材ビジョン』(2021年)
▶今後のIT人材需要と、デジタルスキルの地域格差に関するデータを含む白書。

野村総合研究所『生成AIで変わる未来の風景』(2023年)
▶AIによって自動化が進む業種・進まない業種の分類と、雇用への影響の分析。